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山元りんごの話

「横須賀さん.. この町のりんごは美味しいですよ~、弘前のりんごは有名ですけど、僕はうちのりんご、特に蜜の入ったふじが好きなんです」… 当時まだ平社員だった山元事務所のむっつり主任が呟いたことがありました。

ある時、漏水の修理現場で老人に声をかけられた、「兄さんは横浜ですか?」… 「若い頃にリンゴ仲間が集まってこの町のりんごを横浜の市場へ出荷してみようという話がまとまって、りんごを積んだ2トントラックを連ねて金沢区だったかの大きな市場に行ったことがあってね~」… 「南部市場ですね」…

「市場の人に見てもらったら、ただ一言… 色がわるいからちょと無理だと言われて積んでいったりんごを全て持って帰ってきたことがありました、横浜は遠かったし残念でならなかった」… 「青森のりんごに比べるとうちのりんごはみてくれがわるいから」…

単身赴任の一年目にむっつり君が美味しいと言った蜜のはいったふじを食べてみた、たしか11月の下旬だったと記憶している。

最初のりんごは仕事がらみで世話になったりんご農家のふじで、ひいき目にも美味しそうなりんごには見えなかった、肌にあばたがあるようなくすんだ色をしていた。部屋に持ち帰って包丁で半分に割って食べてみたが、変わった味のりんごだと思った。そのりんごを二箱も横浜の事務所に送ってしまったことを後悔した。翌日残ったりんごを食べてみて、今まで食べてきたりんごが不味いりんごであったことに気がついた…

年が明けて横浜の事務所へ顔を出した時に、生まれて初めてあんな旨いりんごを食べたと多くの仲間に言われ、三箱送ってやればよかったと思った。

昨日送られてきたりんごを食べてみた…

「よっしゃー!、一年ぶりの山元りんごだぜ、蜜は入っているだろうな~」… バコンと割ったら「蜜がすくなくね」…

かじってみれば… 「ほんまもんの山元りんごよ~、しっかりとした歯ごたえとこの甘さ」…

このりんごを食べてしまったら、スーパーのりんごは結構毛だらけです… 味気なくって歯ごたえも無いスカスカで色だけはバッチリのやつ、そんなのがりんごだと思っていたから、山元りんごを初めて食べた時に変わった味のりんごだと思ってしまったのです。間違った常識とはなんと恐ろしいことなのでしょうか… 「それって非常識のことかい」… 今年もひと箱注文しました、11月中旬に電話をいれて、「ご無沙汰しております、こちら横浜の横須賀です、その節はおせわになりました、おかわりありませんか… 今年もひとつりんごをお願いしたいと思いまして電話を入れさせていただきました」…「あまりよくないですが、今年も12月になったらはじめます」…

親戚にりんごが好きなおじさんがいて、山元りんごのファンなもんで送ってあげようかと… 見てくれで判断するようなやつにはわからないだろうから、わかる人に食べてもらったほうが生産者もりんごも幸せだろうし…

明日は12月28日(月)です、休む予定でいましたが埠頭の作業が入ってしまって午前中は仕事をせねばなりません、 仕事にでたならご褒美として中央酒場で呑んでこようかと思っております。

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