知らない街を走ってみたい（寒河江編）

おいらの好きな映画「男はつらいよ」の第16作葛飾立志編の舞台となった寒河江の街、いつかは歩いてみたいと思っておりました。天気は心配でしたが今日一日は持ちそうなのでやってみることに…

お気に入りのテルメ柏陵（山形県大江町の温泉施設）の駐車場にヴォクシーを停めて、ここから慈恩寺（じおんじ）に向かいます。その後 JR寒河江駅に立ち寄り駅前の食堂で昼飯をとりテルメ柏陵で温泉に浸かってヴォクシー車中泊.. こんな予定でした。

テルメ柏陵の駐車場でタマモを下ろして、前輪を取り付け空気圧もチェックしました…

慈恩寺の情報とあわせて男はつらいよ葛飾立志編（第16作）の内容もあらためて確認しました。

テルメ柏陵の駐車場から、まずは国道287号線を北上します。歩道も広いし歩行者もほとんど歩いておりません、路側帯も広くポタリングにはもってこいの環境です。

国道287号線をゆらゆらと走って慈恩寺の入口へあと350ｍ、車両はご遠慮くださいということなので押して登りました。

やれやれ正門につづく石段下に到着しました。タマモをちと石段の脇において、トントントンと石段をのぼり上の様子を窺いました。どうやらタマモもつれていけそうです…

タマモに乗ってぐるりと廻ってみてみれば、三重塔の脇にでました…なかなかなもんです。何枚も写真を撮ったのですが、こんなものしか…

本堂はこんな感じで…　江戸時代に建てられたようです。

石積みの上には彼岸花が、彼岸花を左に見て50ｍほど先へ進むと石積みの間に石段が付いております。それが男はつらいよのロケに使われた石段のようです。僧侶（大滝秀治）が寅次郎に対して発するところの論語の話の部分、「朝に道をきかば、夕べに死すとも可なり」… のところです。

おいらは慈恩寺正門の石段がロケに使われた所だとばかり思っておりました…

慈恩寺を後にしてＪＲ寒河江駅に向かいました…寒河江という街は全体的に綺麗な街です、あまりにも垢抜けしすぎていて風情のかけらもありませんが…

「おっと.. あるじゃないですか～、駅前の食堂」… こちらもずいぶんと垢抜けてしまいました、おいらの想像とは大違いです。映画ではあくまでも寅次郎の語りの中で表現された寒河江の街と食堂なのです、映像にはなっておりません。映画を見ている側が寅次郎の口上から寒河江の街と食堂とそこで働くお雪さんを想像するような作りとなっておりました。おいらの想像の中ではこんな小奇麗な街と食堂ではありません… 45年前に作られた作品なもんで無理は承知の上ですが。

お腹が空いていたもんで店に入ろうかと思ったんですが CLOSEの板切れが… ただし営業中の文字が書かれた旗さし物が風にゆれて、駐車場には数台の車が停まっております。映画では、雪のように色白の美人で優しいお雪さんが働いていたんですが… 「すみませ～ん」と声をかけると　奥からでてきたのは健康的な小麦色の肌のおか～さんが… 「もうしわけありませんね～、おに～さん… 一日通しで営業ができないもんで」とのことで、お雪さんも想像から大きくかけはなれておりました。

残念ですが温泉に浸かったあとにテルメ柏陵の食堂でそばでも食べます。「時の流れがよ～、街並みと人を変えてしまったんだよ～」…

向こうの橋が国道287号線に架かる橋です、あちらの橋からあゆの簗場がよく見えました。タマモを停めたこの下があゆの簗場になります。

ここからあゆの簗場へ下りてゆけるようなのですが、立ち入り禁止のようです。最上川の天然あゆです、道路の反対側で塩焼きを売っておりましたが、今日は休肝日なもんでやめておきました。

あゆの簗場のちと上流にNHK朝ドラ おしん のロケ地があるんですが、テルメ柏陵の駐車場の裏手になります。　　寅次郎の回想の中に出てくる寒河江の街とは大違いでしたがポタリングを楽しむことができました。昭和50年12月に封切られた第16作葛飾立志編の舞台となった寒河江の街、時は流れるもんで街並みが変貌するのは致し方ないことです。