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家いってもいいですか?…

退職まであと9日で、それに有給休暇が3日もあるから、今日も早引け横須賀中央…

昼から雨が降りだすからと折りたたみの傘をザックにしょって、中央酒場へ向かいました…

「おっと、今は換気中かえ」… 半分開いたドアをすり抜け…

うえかど3番に陣を取り、妄想独り酒としゃれこみましたが… 生真面目な労働者諸君が働いていることを思えば心苦しいけれども、勘弁してもらって

ホッピー氷入りに白菜漬けを注文しました… 「姉さん、それにまごちの刺身も一つ」…

まごちの刺身に反応したのが上の写真の大先輩で、それを機に二人の会話が始まりました…

「にいさん、それはめごちだろうが」… 「いや.. これは”まごち”ですよ」…

「昔、走水にボート釣りにいって、キスの外道にめごちが釣れて、そいつをてんぷらにしてよく食べたもんよ~」…「ぬるぬるしていて、さばくのに苦労したっけ」…

「めごちじゃ、このおおきさの切り身はとれないし、身のしまり具合は”まごち”にまちがいありません… 夏が旬の魚なんですけどね」…

まごちの話が福島の原発の話へ、そして浦賀の造船の話から三浦の農業の話まで… 話の内容がすこぶる面白くて聞き入ってしまいました。

「兄さん、おれがおごってやるから なにか一杯やってくれ」… 「ありがとうございます」と梅サワーをいただきました。 「今日は朝から規格外の大根を処分して、そのあと病院を二軒ばかりはしごして、パチンコをやったら勝ったもんで好きな中央酒場に寄ったんだ」… 「でがけに嫁が持たせてくれた1万円が増えたもんで、土産をいっぱい買ってきたのよ」と、ぱんぱんに膨らんだバッグを見せてくれました。

「先輩一つお聞きしてよろしいでしょうか、おいらは3月末で会社を辞めて一年くらいはちと遊ぼうかと思っているんですが」… 「その後のことは考えておりません、あとは野となれ山となれで」…

「舟を持って釣り漁師をやるか、どこか良いところに土地でも借りて農業でもやろうかなどと、なんとなく考えてはいるんですが」…「たとえば、たとえばですよ… 老夫婦が二人で年金生活の足しになるくらい、年間60万円くらい稼ぐとしたら、何をどれくらいの規模で栽培すればいいんでしょうか」?…

大先輩は78才、もとはサラーリーマンで、嫁の実家が大きな農家だったことから今はキャベツや大根を作っていて、昔はスイカやメロンも作っていたとか… 「おれが今 農業をやっているのは、農地の固定資産税に年金が持っていかれてしまうため.. 税金を支払うためなんだ」… 「おれの作った大根は誰にもまけない、皆に旨いと評判なんだよ」… 「農業がやりたいならば、土地も安く貸してやるし、やり方も教えてやるよ~」…

「農業をやりたい人がいれば、土地の一部を貸して固定資産税の肩代わりをしてもらいたいくらいなんだよ」… 「そんな人を知っていたら紹介してください、今なら大根やキャベツの作り方ぐらいは教えられるから」…

「うっ」… 思わず..「おいら農業をやってみたいんです」などと言いそうになったけれども、酒が入っていた乗りで、さすがにそれはやめておきました。

大先輩は連絡先をメモ帳にササッと書いて渡してくれました… 「もし農業に興味があるなら一度来てみなさい… あのあたりで○○という苗字はうちだけだから、すぐに分かると思いますよ」…

老後の人生が大きく花開くんじゃないかという期待が膨らみ、ルンルン気分で中央酒場を後にしました…

「ちとやり過ぎちゃったか」…

家に帰って、重いザックを降ろしました… 「おっと、大先輩からいただいたあさりじゃないかい」… それに、旅ラン用に上大岡はスポーツオーソリティで購入したランニングシューズも出て来ました。

「そうだ、大先輩からいただいた連絡先の書かれたメモだ」…

財布の中にも着ていた衣服のポケットの中にも.. ザックの中を隅々まで捜したんですが、連絡先を書いてもらったメモが無いんです、農業の話しのところは妄想だったんでしょうか…

とりあえずは、今は車中泊放浪の旅だけに集中して、その後のことは旅から戻って考えることにします。大先輩の苗字と農地の場所はおおよそ分かっているので、梅サワーとアサリのお礼に近いうちに家を訪ねてみようかと思っております。

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